市場には「抗菌グッズ」が本当に多く見られます。
「抗菌効果100%」「抗菌力間違いなし!」。。。
確かに、食中毒菌や感染菌など、「人間にとって害を及ぼす菌」は抗菌・殺菌をしなくてはなりません(抗菌と殺菌は違います。それはまた別の機会に・・・)
しかし、本来人間は有害菌が体に入ってきた時に、自然に排除する免疫系の仕組みを体に持っているのです。
その免疫系が働かなくなっていることに、大きな問題があるのです。
人間は、生まれたときは「無菌」状態でこの世に誕生します。
お母さんの産道から出た瞬間に、空気中の微生物が体に取り込まれて、体に菌が定着します。
ここで間違って欲しくないのは、この「菌」は「体に必要だから」定着するのです。
微生物が体に住むことで免疫系が作られる!
こんな実験があります。
「無菌状態のネズミは、全く免疫機能が働かない。でもそこに微生物を与えていくと、免疫系が作られていく」
要は人間も同じで、子どもの頃から多種多様な微生物に触れていくことで、体はそれに対する抵抗力を身につけて、次に触れた時に感染しない仕組みを形作っていくのです。
このことは、また詳しく書こうと思いますが、とっても子育てをする上で重要なことです。
今、先進諸国でアレルギーや免疫障害が多く発生しています。
これは一種の「衛生病」です。
小さいころから、「抗菌/衛生」に囲まれて生活をしていると、体にとって大切な「菌」に触れる機会が少なくなってしまいます。
それによって体の免疫系はうまく作られなくなり、抵抗力がとても弱くなります。
そして、食物アレルギーやアトピー性疾患など、多くの病気に悩まされることになるのです。
昔の日本人は、泥まみれになって遊び、川で水遊びをし、手づかみで色んなものを口にしていました。
そうすることで色んな微生物に触れて、強い体を自然と作っていたのです。
「抗菌」という言葉が一人歩きすると、なんでもかんでも「微生物(菌)=悪だ!」となってしまいます。
でも、その発想は本当に危険です。
私たちが正しい知識を身につけ、「体に良い菌」と「緊急性を持つ悪い菌(食中毒や病原菌)」とを選別して、きちんと「共生」していかなければダメですね。