前回に引き続き、放射能について簡単に説明します。
「放射能」「放射線」「放射性物質」の違いは、前回の記事を見てくださいね。
テレビでよく、「ヨウ素の半減期は8日」「セシウムの半減期は30年」とか言われます。
そもそも「半減期」とはどういったことでしょうか?
勘違いが多いのは、「半減期の8日が経てば放射能はなくなる」という考え方です。
本当は、半減期なので半分になるという意味です。
半減期とは、「放射性物質の量が半分になるまでの期間」のことです。
例えば、ある空間に放射性物質が100個あるとします。
それぞれの放射性物質は、一定の時間ごとに壊れていきます。
その度に放射性物質の数は少なくなっていきます。
このように、どんどん壊れながら少なくなり、最初の放射性物質の半分の量、50個になるまでの期間が半減期です。
そのため、半減期を過ぎても残り50個の放射性物質からは放射能が出ています。
ただ、その量は最初に比べてずいぶん少ないということです。
体にセシウムがもし入ったら、30年間内部被爆するのか?
多分多くの人が、「半減期30年のセシウムが体に入ったら、30年間内部被曝する」と考えているのではないでしょうか?
それは違います。
人間の体は、細胞も常に生まれ変わっていますし、そのために新しく食べ物を毎日食べています。
だから、同じ成分がずっと体に留まり続けることはないのです。
放射性セシウムが体に入っても、長くて100日程度で体の外に排出されます。
体の中で内部被曝する可能性がある期間は、この100日程度です。
その100日間で体に悪影響を与えるかどうかは、セシウムを摂った「量」によります。
今、発表されている量をもし一年くらい口にしたら、体のどこかの細胞がガンになる可能性が0.01%くらい 増えます。
この%を高いと感じるか低いと感じるかはお任せします。
ただ、他の発ガン性物質(例えばタバコの副流煙やお酒の暴飲など)の方が、もっと高いリスクがあると思います。
同じ放射能なら、半減期が短い方が一度に出る放射線は強い
最後に、例えば同じ放射能を持っている放射線物質があったとします。
一方は半減期が100年、一方は半減期が1日とします。
この場合、一度に出る放射線量は、半減期1日の方が遥かに大きいです。
それは、100年の方は100年かけてゆっくり放射線を出し、半減期1日の方は1日でまとめて放射線を出すからです。
このように、「半減期が長いから影響が強い」と単純に考えるのではなく、放射能の大きさと半減期を両方から考えないとダメということです。
こういったのを全部考慮に入れて、人間に与える影響度を表したのが「シーベルト(Sv)」という値ですね。
最後のはちょっと難しかったかもしれません。。
まずは今の放射能レベルだと食べても1万人に1人くらいガンになる感じです。
これを多いと感じるかどうかは、人それぞれですね。