マスコミで取り上げられるときに出てくる「放射能」という言葉。
実は厳密には定義が間違っている場合があります。
『放射能』とは、「放射線を出す能力」のことです。
そして『放射能』を持つ物質のことを『放射性物質』と呼びます。
『放射性物質』は、とても不安定なので、安定な状態になろうとします。
安定な状態になるために、放射性物質は自分から不安定になる要因を放出します。
これを「放射性物質の崩壊」と呼んでいます。
放射能を持つ放射性物質が崩壊するとき、不安定な物質を外に飛ばしてしまいます。
これが人体に影響を与えるエネルギーを持っているのです。
このエネルギーをもった線を『放射線』と言います。
今、検出されている「放射性セシウム」や「放射性ヨウ素」は、『放射性物質』と呼ばれる物質です。
このセシウムやヨウ素が崩壊するとき、それぞれ放射線を出します。
この放射線が人間にあたることを「被曝する」と言います(あくまで人間目線ですが)。
「ベクレル」や「シーベルト」の単位にはそれぞれ意味があります
ニュースでよく、「○○ベクレルの放射能」「○○シーベルトの影響」などの言葉が出てきます。
単位が違ったり数値が違ったりで難しいですよね。
簡単に言うと次のような定義になります。
ベクレル(Bq):放射性物質が放射能を出す力の大きさを示す単位
シーベルト(Sv):人が放射線を浴びて被曝する影響度を示す単位
つまり、ベクレルは放射性物質の目線で見た力の大きさで、シーベルトは人がどれだけ影響を受けるか目線の値です。
放射性物質は種類によってベクレルの大きさが異なりますし、量だけでは人に与える影響は分かりません。
人が受ける影響(シーベルト)は放射線の種類やエネルギーの大きさ、体の部位のどこに当たるかなどによって変わることを考慮して計算されています。
一度に多くのことを説明すると混乱してしまうと思いますので、今回は放射能と放射線の言葉の違いだけにしておきますね。
Twitterにも書きましたが、昨日の東京の水道水について一言
ヨウ素131の100 ベクレル/Lの水を毎日2Lずつ、年間730L飲むと、およそ1.6 mSvの被爆になります。
人が放射線によってガンになるリスクは、およそ1 シーベルトで5%増えます。
だから、今回の東京の水を一年間2L飲み続けてガン化するリスクは、0.08%くらい増えるだけです。
タバコを赤ちゃんの前で吸ったり、食品添加物の入ったお弁当や冷凍食品を食べさせたりする方が、よっぽど体に悪いです。
どうかパニックにならないでくださいね。