腸の状態は、ストレスや緊張などの精神的な影響に左右されます
「便秘には食物繊維が良い」と言われて、毎日野菜を食べているのに便秘・・・。緊張したらお腹が痛くなった・・・。そんな経験をしたことはありませんか?
実は、腸が影響を受けているのは食事だけではありません。腸の状態は精神的な影響を受けることが大きいのです。ストレスや緊張を感じると、腸の働きが悪くなり、固くなって動かなくなってしまいます。
仕事のプレッシャーや人間関係のトラブル、睡眠不足、疲労、不安、興奮など、強いストレスを受けると、大脳が刺激されて自律神経に影響を及ぼします。腸の蠕動運動は自律神経によってコントロールされているため、ストレスを受けることによって自律神経のバランスが乱れ、便秘や下痢を引き起こしてしまいます。
「交感神経」と「副交感神経」のバランスを維持が大切
腸の動きは自律神経によって左右されます。ところで「自律神経」とは一体なんなのでしょうか?自律神経は、呼吸や体温調節、代謝などの機能をコントロールしている神経系のことです。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。
副交感神経は、リラックスの体調作りに役立っていて、腸は副交感神経が優位な状態でよく働きます。しかし、日中にストレスを感じたり夜更かしをしたりすると、本来休息の時間である就寝時まで交感神経が優勢になってしまいます。その結果、消化力や腸の力が弱まって便秘になり、老廃物を身体の外へ排出できなくなってしまいます。
また、副交感神経は免疫に重要なリンパ球もコントロールしているため、副交感神経が弱まると免疫のバランスも崩れてしまうのです。その結果、腸内細菌もバランスを崩し、善玉菌を減らして悪玉菌が増えるという悪循環に陥ってしまいます。
ただし、副交感神経を働かせようとしてのんびりし過ぎることも良くありません。副交感神経が過度に優位になると、リンパ球が増えすぎてしまいアレルゲンに過剰に反応してしまいます。その結果、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などになる可能性もあります。
一日のリズムを大切にして、ストレスから身体を解放しましょう
私たちの体は、一年を通して自然に温度変化を察知して体内のバランスを保つようになっています。エアコンなどに頼り過ぎると、自律神経は本来のバランス調整機能を忘れてしまいます。交感神経と副交感神経の切り替えのタイミングが変調をきたし、腸の働きも乱れてしまい免疫力の低下にも繋がります。
日中は仕事を一生懸命して、太陽が沈んだら家に帰ってしっかり休息をとりましょう。こうしたリズムある生き方をすることが、ストレスから身体を解放して自律神経のバランスを整えることに繋がります。